ミュージカル 「ラ・ラ・ランド」ー青春時代の恋人はラ・ラ・ランドの中で永遠にーネタバレ感想 ここで思い出されるのは、2人の春夏秋の物語が“ミナがやっと成功をつかむ可能性が出てきた”ところで終わりになったことです。それはセバスチャンが言ったように、これからミナが仕事に集中しないといけないから)というのも理由の一つかもしれませんが、実際には“ミナの物語のなかでセバスチャンがその役割を終えたから”というのが大きいのではないでしょうか。 2023.08.28 ミュージカル
サスペンス 「ファイトクラブ」ー確かにこれくらいやらないと今の生活は壊せないー感想 「俺たちはライフスタイルに仕える奴隷だ」ー私にとってこの映画は、もうこの一言に尽きます。 映画序盤でマンションの自宅を爆弾でフッ飛ばされ、こだわり抜いた家具や最新家電、高級ブランドの衣類の数々を失った主人公。“パーフェクトな生活”が一瞬で無になって途方に暮れる主人公に、ブラピはこう言い放ちます。 「寝てるあいだに女に×××を切り落とされた男もいる」 主人公はややあっけにとられて「いや、それはそうだけど…」。当然の反応ですよね。笑 でもこれ、ブラピが言いたかったのはお決まりの「アフリカには飢えた子供達が…」的な慰めではなくて、痛みや肉体に比べれば、“物”なんて大したことないだろってことです。 2023.08.24 サスペンス
ドラマ 「バーレスク(2019)」ー勇気を出して一歩踏み出したあとも、現実と闘っているーネタバレ感想 ただし、「自分で自分を認める」ということは、他人からの評価とは違ってダイエットや整形では簡単に成し遂げられません。この映画の主人公のように、まず一歩踏み出し、その後「世の中バラ色みたいに見えたけど、結局私はデブキャラのままで何も変わってないじゃん!」という現実に打ちのめされ、それでもまだ地面に足を踏ん張って立っている自分を発見して、初めて本当の自信が得られるのだと思います。「もうデブでも負け犬でも何でもいいわ。私は自分が踊りたいから踊るんだよ、ちょっとそこどけ」みたいな。そうやって自分の欠点も現実もすべて受け入れたうえで、心を折られていないことが大事なんです。 2023.08.19 ドラマ
ドラマ 「ハングリーハーツ」ー結局ミナは何に飢えていたのかーネタバレ感想 「自分の子どもは普通の子とは違う特別な存在だから、汚れた食べ物を食べさせてはいけない」という考えに取り憑かれた女性が、我が子にまともに食べ物を与えず飢えさせてしまう。映画は、そんな妻から何とか子供を守ろうとする父親の姿を中心に描いています。ミナは決して子供を虐待しようと思って食べ物を与えないわけではありません。映画を観ていると、ミナが子供のことを宝物のように大切に扱い、心から慈しんでいることが伝わってきます。またジュードも子供を守りたい気持ちはありますが、食べ物を与えるのを妨害するミナを憎んではいないことが分かります。むしろこのような異常な状況でも、何とか家族としての形を守ろうと足掻いているのです。 2023.08.19 ドラマ
アニメ 「スーサイド・ショップ」ー絶望には美味いものが効くーネタバレ感想 この映画のポイントは、何でみんながそんなに絶望しているのかが明確に語られないところです。不景気だから?いや、でもお金持ちのマダムっぽい人や、ちゃんと仕事に就いている人もみんな一様に絶望して、自殺用品を買い求めています。自殺志願者があふれていて、自殺用品専門店(スーサイド・ショップ)は大儲け。でもそのお店を経営する家族も、店に来る客と同じように人生に絶望して内心では死を望んでいるのです。客観的に見て、それほど絶望的な状況とはいえない人々が、何故かみんな生きる望みを失っています。あえて理由をあげるなら、社会全体が暗いからそこで暮らす人たちが自然とネガティブに染まっていっている感じ 2023.08.18 アニメ近未来SF
アクション 「ジェントルメン」ーK-POPもいいけど、今夜は英国ダンディの映画で盛り上がろう!ー感想 レイモンドのギャップがお茶目なところだとすると、ミッキーのギャップは超愛妻家なところ。いつも冷静沈着なのに、奥さんのピンチとなると、紳士のスタイルも忘れて髪振り乱して駆けずり回ります。そういうところも、女子がこの映画を観てキュンキュンできるポイントじゃないでしょうか。でも奥さんに手を出されたことで怒ったミッキーが、21世紀の現代で普通に「ベニスの商人」みたいなことを要求しだしたときは怖かった。バットを振り回すデニーロの悪夢再び…。まぁ、デニーロと違って実演のシーンは映らないので、女子も安心して観られる映画であることは変わりません。 2023.08.17 アクションコメディ
青春 「キングス・オブ・サマー」ー青春映画…の一歩手前の「少年たちの夏休み映画」ー感想 でも実際に映画を観て感想を書きたくなったのは、これがキラキラのまぶしい青春映画とはちょっぴり違う味わいがある作品だから。何が違うかというと… 主人公たちが垢抜けない、ガキっぽい、そしてダサい。笑 森のなかでお手製の勇者っぽい剣を振り回して「色んな場所に名前を付けようぜ!『運命の森』とかさ」とか言ってはしゃいでいるんです。何か観てるこっちが恥ずかしくなって、お尻がむずむずしませんか?それももう17歳とかの年齢でですよ。「スタンドバイミー」のクリスのほうがよっぽど大人っぽくてクールだよ… 2023.08.17 青春
ラブストーリー 「ロブスター」ー恋愛から決定的な何かが欠けた、歪な世界ーネタバレ感想 「パートナーがいない人は問答無用で獣落ち」というめちゃくちゃな設定のインパクトが強い映画ですが、映画を観ているとちょっと別のところが引っかかってきます。「ん?あれ?恋愛ってそういうことだったっけ?」みたいな違和感です。まず、この世界ではカップルになるために(恋をするために?)は互いに共通点があることが条件になっています。何故かこれが絶対条件で、みんな血眼になって「この人は私と共通点があるか?」という視点で相手探しをしています。 2023.08.16 ラブストーリー近未来SF