ドラマ

自分の値打ちは行動で示すんだ~「マイ・フレンド・メモリー」感想~

そう、その出会いで人生が変わったのは、ケビンも同じ。2人は一緒にお祭りに出かけた先で力を合わせて不良グループに立ち向かい、ケビンの頭脳とマックスの体、それぞれの強みを活かして勝利します。 やっと騎士になるために必要なもの(マックスという馬。笑)が手に入ったケビンは意気揚々、マックスに一緒に騎士としての冒険の旅に出ようと誘うのです。
ドラマ

すべてを昇華する芸術家の生きざま~映画「ブルータリスト」ネタバレ感想~

建造物は時の流れや政治、社会の情勢に屈することなく、残り続けるものです。 その不変の姿が新しい時代の人々の感性をも刺激し、建築家の死後も社会に影響を与え続けます。ラースローにとって、たとえ今の自分がどれだけ傷つき、惨めで、卑しい存在のように感じられたとしても、設計した建造物に自分の存在を刻むことができれば、それですべてが救われるのです。
コメディ

俺の内面を見せてやる!~「スイス・アーミーマン」ネタバレ感想~

心の声が生きるか死ぬか。そこには“社会との距離感”が大きく関わっています。 社会化される前の人間の中では、心がのびのびと声を上げていて、人はそれに従って思うがままに行動できます。森の中のハンクとメニーの様子は、幼い子どものような自由な発想や万能感、イマジナリー・フレンドの存在を表現しているのでしょう。
近未来SF

このルールは誰のためのものか~「ガタカ」ネタバレ感想~

主人公のヴィンセントは、信仰に篤い両親の考えにより、遺伝子操作を経ずに自然のまま生まれました。結果として、近視や心臓疾患という遺伝的ハードルを負うことになり、「新下層階級」に属して、進学や就職で差別的扱いを受けるようになります。
近未来SF

ノイズを取り除いた、生の本質~「わたしを離さないで」ネタバレ感想~

これは原作にはない言葉だったと思いますが、カズオ・イシグロが書こうとしたことの本質に迫っていて、私たちにこの物語をどう受け止めればいいかを丁寧に説明してくれているような気がしました。 イシグロはこの小説において、何らかの理由で短い一生を運命づけられている若者たちを書きたかったと語っていましたが、それによって私たちに「クローン人間って可哀そう」と思わせたかったわけではないでしょう。
サスペンス

「死」との付き合い方が問われる~「イニシェリン島の精霊」ネタバレ感想~

色んな見方があると思いますが、私はこの作品に出てくる4人の登場人物が、「死との向き合い方」の4パターンを体現しているように見えました。 まず主役の2人。コルムとパードリックは、私から見るとこんな感じ。 ①コルム:死が近づいてきたことで、直視せざるを得なくなって焦っている。「死」に完全に支配されている人間。 ②パードリック:いつか死ぬことは分かっているが、できるだけそのことは考えたくない。「死」から逃げ回っている人間。
ドラマ

共同体から切り離されて、人はa real painになる~「リアル・ペイン」ネタバレ感想~

タイトルそのまま、pain=苦痛についての物語です。 ただし、この映画で扱っているのは過去のユダヤ人が感じた苦痛ではなく、現代に生きる人々が感じる苦痛。より正確に言うと、本来は苦痛として感じるべきなのに、現代ではただ「厄介な何か」として扱われている感情についてです。
青春

スケボーで何かが変えられると信じていた~「mid90s」ネタバレ感想~

スケボーというのはただの遊びやスポーツではなく、ライフスタイルそのもの。ストリートファッションや反体制的な価値観とも結びついていて、スティーヴィーのような少年にとっては「自分とは何か」を丸ごと説明してくれるパッケージのようなものです。
コメディ

どの時代にも、子どもがいた~「ジョジョ・ラビット」感想~

彼がナチスなのはこの時代のドイツに生まれたから。彼がヒトラーに憧れるのは、周りがそう仕向けたから。環境がすべてであって、彼の責任じゃないってことは、映画を見れば一発で分かります。
ドラマ

ジャック・ケルアックの道を、ハーレーで駆け抜ける~「ザ・バイクライダーズ」ネタバレ感想~

モーターサイクルクラブを題材にした写真集に着想を得て、架空のクラブ「ヴァンダルス」の結成から衰退までを描いたストーリーです。メンバーは皆けっこういい年したオッサン達なんですが、何だか青春の儚いきらめきを感じさせます。