hetarepanda

アドベンチャー

ドン・キホーテの愛を叫べ~「MUD」ネタバレ感想~

人を殺して指名手配されているというマッドは、誰がどう考えても危険な存在なのですが、エリスは彼が「すべては愛する女性のためにやったことだ」と言うのを聞いて彼に肩入れするようになります。
サスペンス

宇宙のように静か…そして空想が広がる~「ガガーリン」ネタバレ感想~

本当の意味での「home」として、私たちが心の拠りどころにしているのは、こうした共同体の記憶や思い出なのだと思います。自分がどこかに属していると感じるとき、その核にあるのは物理的な建物ではなく、今ではもう目には見えない場所や時間です。
ラブストーリー

お願いだから、僕だけを見ていて~「her/世界でひとつの彼女」ネタバレ感想~

つまり、サマンサは100%どっぷりとセオドアの世界の住人なのです。セオドアのために生まれた彼女には、自分独自の世界というものがない。セオドアの世界から学び、セオドアのためだけに思考する存在。セオドアにフルでコミットし、それを何ら不自然とは思わない恋人です。
近未来SF

あなたが本当にほしいものは何ですか?~「アセスメントー愛を試す7日間」ネタバレ感想~

そのやり方は陰湿、かつ徹底的。名目上「査定官」を名乗る女性・バージニアは、無機質な態度で通りいっぺんの質問をして、各種の検査をして一応穏やかに初日を終えますが、もう2日目からはエンジン全開でフルスロットルです。
ドラマ

足掻く奴らを笑えー「ロープ~戦場の生命線~」ネタバレ感想ー

「ロープが無いなら、ホームセンターに行けばいいじゃなぁ~い♪」とか言わないであげてください。ここは紛争地帯なので。彼らにとっては、これが当たり前。文句も言わずに、ただ粛々と行動し続ける姿が泣かせます。彼らはやってられないという気持ちを押し殺し、シニカルさや悪ふざけでその日その日を乗り切っていくのです。
サスペンス

あれ?君たち、ひょっとして何か怒ってる?~「ザ・メニュー」ネタバレ感想~

一見したところはワンシチュエーションスリラーですが。これが笑いに見えないのは、あなたが“彼らの側”、つまり奪う者だからかもしれません。 最近見た映画だと「ソルトバーン」がこれに近い雰囲気だったような。 確実にそこに立ち昇っているのに、奪う者たちは与える側の反逆の狼煙を、それと認めようとしない。 だって自分たちは特権階級だから。そういう気分に浸りきって、危険を察知する本能が鈍ると、こういうことになりますよ、と。
ドラマ

悲しみは、長い時間をかけて届く手紙~映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を思う」ネタバレ感想~

とても抒情性があって美しい邦題ですが、実は原題はまったく正反対なイメージの「Demolition(破壊)」なんですね。 この場合の「破壊」は、映画「ファイト・クラブ」でブラット・ピットがやっているアレです。今のクソみたいな人生を徹底的に破壊して、新しいものを創造する。 ブラピがやってるのはほぼ破壊のみで、映画のテイストもだいぶ違いますが…… 描き方が違うだけで、「ファイト・クラブ」と「雨の日は~」は、ほとんど同じテーマを扱っていると思います。
アドベンチャー

より卑しく、より気高く~「グリーン・ナイト」ネタバレ感想~

ガウェインは私たちと同じ普通の人間として、死に恐れ慄き、斧が迫ってきたときには怯み、子どものように涙をこぼしました。そんなにも恐れていた死を、最後には受け入れる勇気。これが気高さではなくて何だと言うのでしょうか。
サスペンス

まけいぬたちのいるところ~「ドント・ウォーリー・ダーリン」ネタバレ感想~

ただ最後にもう1点感想として付け加えておきたいのが、なんで男たちが仮想現実の世界に妻を連れて行ったのか、その心理こそがもう情けなさの極致だよねっていう話です。 ただ心地良い夢の世界で生きていくだけなら、別に自分1人でビクトリーしとけばいいわけですよ。
歴史

16世紀の高貴なるシスターフッド~「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」~

プライドの高いメアリーと、コンプレックスの塊であるエリザベス。この映画を観て、自分がどちらにより共感できるかを確かめてみてもいいかもしれません。16世紀だろうと令和だろうと、女の人生は楽じゃないです、ほんと…。