ドラマ 芸術にとって邪魔なもの~「デリシュ!」ネタバレ感想~ マンスロンは最高の料理を作ることに人生を捧げた男です。彼の生きがいは美食の追求であり、そのためには高級な食材や最高の設備を用意できる、貴族の後ろ盾が必要不可欠なのです。マンスロンにとっては「美食=貴族に提供するもの」というのが当然の認識で、自分自身のためにも公爵の城に戻るしか道はないと考えています。 2024.01.09 ドラマ
ドラマ 権威を、否定しろ~「セッション」ネタバレ感想~ フレッチャーは分かっているのです。最初に持ち上げておいて、いきなりどん底に突き落とすやり方が、相手のメンタルに最もダメージが大きいことを。暴言や暴力というものは確実にエスカレートしていく習性があります。とくに立場の弱い相手に対する虐待は、一度決定的な線を踏み越えてしまうと、もう自分では止められなくなります。(そのあたりの表現はドイツのトラウマ映画「es」の得意とするところ) 2023.12.31 ドラマ
ドラマ ~親だって、人間だもんな by のび太~「秘密の森の、その向こう」ネタバレ感想 子どもの頃の親と、ごく普通の友達として一緒に遊ぶって素敵な体験ですよね。でも私たち日本人はネリーとマリオンに出会うまえから、とある漫画の中でこれと似た体験をしています。子どもたちの「こうだったらいいな」を簡単に叶えてくれる存在…そう、ドラえもんです。 2023.12.18 ドラマ
ドラマ 私たちは、ただ考えてほしいだけ~「プロミシング・ヤング・ウーマン」ネタバレ感想~ この映画の結末については、好みが分かれるところだと思います。これまで相手に言葉で伝えようとする姿勢に徹してきたキャシーが、いよいよ加害者であるアルに対しては暴力で思い知らせるのかと思われました。実際、そのほうが観客にとってはカタルシスが感じられて、映画としては人気が出たかもしれません。 2023.12.18 ドラマ
ドラマ 記憶の底には、素晴らしい宝物が眠っている~「ぼくを探しに」ネタバレ感想~ マダム・プルーストはポールが言葉を話さず人に心を開かない理由を、「壊れた蓄音器と一緒で、同じところをグルグル回っているだけ。このままじゃ2歳児のままよ」と話していました。ついでに「あの子に必要なのはコレ」と言って蓄音器を蹴っ飛ばしていましたが、ポールの人生を動かしたのは蹴りではなくて、記憶の底に隠されていた両親との温かい思い出だったのです。 2023.12.17 ドラマ
コメディ スリルと哀愁、そして笑いのせめぎ合い~「ディック・ロングはなぜ死んだのか」ネタバレ感想~ さっきから茶化しまくって書いてますけど、映画ではこのへんのシーンはすごく緊迫感をもって描かれていて、それがまた逆に笑いを誘うんですよね。多分誰もが経験したことがある「都合の悪いことを隠そうとして小手先でごまかそうとすると、次から次へとボロが出て窮地に陥る」という状態。ジーク目線でスリリングに描くことで、観客が感情移入しやすくなっています。 2023.11.07 コメディ
コメディ 「他人って…うっとおしい」という事実~「ザ・スクエア 思いやりの聖域」感想~ アマプラの配信が終わってしまいました…。配信終了の48時間前に存在を知って、慌てて一気に鑑賞。感想を書くのには間に合わなかった(涙)。でも観ていると色々な考えが湧いてくる映画なので、感想記事を残しておきたい。ということで、鑑賞からすでに1ヵ... 2023.11.07 コメディ
ドラマ アメリカ映画好きのための、おとぎ話~「ワンス・アッポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ネタバレ感想~ そして何と言ってもやっぱり、ブラット・ピットとレオナルド・ディカプリオが親友同士として共演してるスペシャル感ですよね。それぞれの役のキャラクターも、いつもの2人そのまんまという感じで「この2人がコンビを組んでる!」と往年の映画ファンを素直に感動させてくれます。 2023.11.07 ドラマ
ラブストーリー 誰かに愛されているかぎり、人間には生きる価値がある~「ボーンズ・アンド・オール」感想~ 社会からのけ者にされた人たち。愛してくれる人がいない存在。他者の目を気にすることがないから、話し方も見た目もどんどんグロテスクに不気味になっていくのです。私はこの映画では“他者から愛してもらえるか”というのが大きなテーマになっているように感じました。 2023.11.07 ラブストーリー青春
ラブストーリー 「フラワーショウ!」ーこの映画を観ると、ナチュラル系女子に憧れるー感想 何と言ってもお洋服が可愛いんですよね~。NYあたりの金持ち女性が着てそうな、洗練されたハイブランド服とは真逆の雰囲気。草花の柄や刺繍がいっぱいで、素朴だけどとってもカラフルな色使いは見ていてワクワクします。私はアメリカ映画が好きですが、ファッションは断然イギリス・スコットランド・アイルランドの映画を観てるほうが楽しめますね。「ジェントルメン」の英国紳士の着こなしも、「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」のティーンのファッションも好きでしたが、特にこの映画のメアリーは個性的で、ナチュラル可愛いお洋服の数々に目が釘付けです。 2023.09.27 ラブストーリー青春