hetarepanda

ドラマ

私たちは、ただ考えてほしいだけ~「プロミシング・ヤング・ウーマン」ネタバレ感想~

この映画の結末については、好みが分かれるところだと思います。これまで相手に言葉で伝えようとする姿勢に徹してきたキャシーが、いよいよ加害者であるアルに対しては暴力で思い知らせるのかと思われました。実際、そのほうが観客にとってはカタルシスが感じられて、映画としては人気が出たかもしれません。
ドラマ

記憶の底には、素晴らしい宝物が眠っている~「ぼくを探しに」ネタバレ感想~

マダム・プルーストはポールが言葉を話さず人に心を開かない理由を、「壊れた蓄音器と一緒で、同じところをグルグル回っているだけ。このままじゃ2歳児のままよ」と話していました。ついでに「あの子に必要なのはコレ」と言って蓄音器を蹴っ飛ばしていましたが、ポールの人生を動かしたのは蹴りではなくて、記憶の底に隠されていた両親との温かい思い出だったのです。
コメディ

スリルと哀愁、そして笑いのせめぎ合い~「ディック・ロングはなぜ死んだのか」ネタバレ感想~

さっきから茶化しまくって書いてますけど、映画ではこのへんのシーンはすごく緊迫感をもって描かれていて、それがまた逆に笑いを誘うんですよね。多分誰もが経験したことがある「都合の悪いことを隠そうとして小手先でごまかそうとすると、次から次へとボロが出て窮地に陥る」という状態。ジーク目線でスリリングに描くことで、観客が感情移入しやすくなっています。
コメディ

「他人って…うっとおしい」という事実~「ザ・スクエア 思いやりの聖域」感想~

アマプラの配信が終わってしまいました…。配信終了の48時間前に存在を知って、慌てて一気に鑑賞。感想を書くのには間に合わなかった(涙)。でも観ていると色々な考えが湧いてくる映画なので、感想記事を残しておきたい。ということで、鑑賞からすでに1ヵ...
ドラマ

アメリカ映画好きのための、おとぎ話~「ワンス・アッポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ネタバレ感想~

そして何と言ってもやっぱり、ブラット・ピットとレオナルド・ディカプリオが親友同士として共演してるスペシャル感ですよね。それぞれの役のキャラクターも、いつもの2人そのまんまという感じで「この2人がコンビを組んでる!」と往年の映画ファンを素直に感動させてくれます。
ラブストーリー

誰かに愛されているかぎり、人間には生きる価値がある~「ボーンズ・アンド・オール」感想~

社会からのけ者にされた人たち。愛してくれる人がいない存在。他者の目を気にすることがないから、話し方も見た目もどんどんグロテスクに不気味になっていくのです。私はこの映画では“他者から愛してもらえるか”というのが大きなテーマになっているように感じました。
ラブストーリー

「フラワーショウ!」ーこの映画を観ると、ナチュラル系女子に憧れるー感想

何と言ってもお洋服が可愛いんですよね~。NYあたりの金持ち女性が着てそうな、洗練されたハイブランド服とは真逆の雰囲気。草花の柄や刺繍がいっぱいで、素朴だけどとってもカラフルな色使いは見ていてワクワクします。私はアメリカ映画が好きですが、ファッションは断然イギリス・スコットランド・アイルランドの映画を観てるほうが楽しめますね。「ジェントルメン」の英国紳士の着こなしも、「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」のティーンのファッションも好きでしたが、特にこの映画のメアリーは個性的で、ナチュラル可愛いお洋服の数々に目が釘付けです。
サスペンス

「ベン・イズ・バック」ー理想の母親像は薬物の力の前では無力ー感想

薬物という悪は大きな力を持っていて、それは母親の我が子への愛情よりも強いのです。ベンはドラッグについて「愛されていると感じ、力がみなぎってくる。母さんですら、僕をそんな気持ちにさせることはできない」と語っています。その力はあまりに強く、ホリーがベンを愛しても愛しても、彼を薬物依存から救うことはできません。その無力感に苛まれたとき、母親はホリーのように盲目的になることで、何とかドラッグと息子との閉ざされた世界の中で自分の立ち位置を確保しようと足掻いてしまうものなのでしょう。
ドラマ

「グラン・トリノ」ー受け継がれていく“男らしさ”ーネタバレ感想

そう、この映画は「ヒーローの時代は終わったのか?昔の“男らしさ”は現代では無価値なのか?」を問うストーリーなのです。そして最も強く“男らしさ”というものに疑いを持っているのは、おそらくウォルト自身でしょう。なぜなら彼は朝鮮戦争で多くの功績を残した英雄ですが、自分が人を殺して勲章をもらったという事実を心の底から嫌悪しているからです。
ドラマ

「グリーンブック」ーこれこそがアカデミー作品賞にふさわしい映画だー感想

そう、この映画の最大の魅力は、主役2人の掛け合いが楽しいバディものなところです。教養があって理知的なドン・シャーリーはいかにも上流階級の紳士という感じ。かたやトニー・リップは下品だし喧嘩っ早いけど、明るい性格で大勢の家族や仲間に囲まれています。孤高のドン・シャーリーとは何から何まで正反対。そんな2人が旅の経験を通して互いに認め合い、やがてはベストパートナーになっていく展開はロードムービーのお約束。いや~、何回観てもグッときますね。