アドベンチャー

より卑しく、より気高く~「グリーン・ナイト」ネタバレ感想~

ガウェインは私たちと同じ普通の人間として、死に恐れ慄き、斧が迫ってきたときには怯み、子どものように涙をこぼしました。そんなにも恐れていた死を、最後には受け入れる勇気。これが気高さではなくて何だと言うのでしょうか。
サスペンス

まけいぬたちのいるところ~「ドント・ウォーリー・ダーリン」ネタバレ感想~

ただ最後にもう1点感想として付け加えておきたいのが、なんで男たちが仮想現実の世界に妻を連れて行ったのか、その心理こそがもう情けなさの極致だよねっていう話です。 ただ心地良い夢の世界で生きていくだけなら、別に自分1人でビクトリーしとけばいいわけですよ。
歴史

16世紀の高貴なるシスターフッド~「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」~

プライドの高いメアリーと、コンプレックスの塊であるエリザベス。この映画を観て、自分がどちらにより共感できるかを確かめてみてもいいかもしれません。16世紀だろうと令和だろうと、女の人生は楽じゃないです、ほんと…。
ドラマ

アメリカという辺境に流れるジャズの音~映画「Rainレイン」ネタバレ感想~

愛が損なわれた人生、そこでもがく人たち。そして静かで哀切な音楽。私が一番好きな小説家、レイモンド・カーヴァーの世界を強く思い出させる映画でした。カーヴァー好きの方はぜひ、絶対にハマります。(この映画はロシアの国民的作家、チェーホフの作品を基...
ラブストーリー

全員ぶっ飛ばせ、私たち以外~「ディナー・イン・アメリカ」ネタバレ感想~

久しぶりにぶっ飛びました!いや、めっちゃ面白い映画。お腹抱えて笑ってしまった。こういう完全に針が振り切れてる映画を作ってくれるから、アメリカ映画って大好きよ。日本でこの手の映画とかドラマ作ったら、完全に少女漫画のノリになっちゃうし。美人女優...
ドラマ

~最後に残ったのはサンフランシスコへの愛~「ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ」

金持ちの白人だらけになったこの街に、自分は最後の黒人としてしがみついてやる。なぜなら俺は特別な存在だから。 ジミーのプライドや戦う気力、この街はまだ自分には背を向けていないという信念。すべては“祖父が自分で建てた家である”という、その一点にかかっていました。 親友のモントはジミーの信念に敬意を持ち、いつも行動を共にして、あらゆる場面で力を貸してきました。
サスペンス

この世界に汚される体験を描く~「ペーパーボーイ 真夏の引力」~ネタバレ感想

それは誰でも大人になる過程で必ず通らなくてはならない通過儀礼で、そこをくぐり抜けたときにどのような人間になっているのかが、その人の本質を決めるといっても過言ではありません。
コメディ

文学おじいちゃんと魅力的な隣人たち~「ボヴァリー夫人とパン屋」ネタバレ感想~

さて、ジェマの内面は神秘に包まれたままですが、私たち観客はこの映画の中で確かにボヴァリー夫人にそっくりな人物を見つけることができます。 ロマンティストで夢見がち、田舎社会に幻滅し、自分より凡庸だと感じている配偶者とも心を通わすことができず、突如自分の生活に現れた魅力的な年下に夢中になり、その相手とルーアン大聖堂で待ち合わせ……
ドラマ

ラストシーン、おとぎ話の魔法に包まれる~「ファミリー・ビルド 二人のきずな」ネタバレ感想~

映画でいうと、ファンタジーでもSFでもなく一応現実的なストーリーを追っていたのに、ラストに向けていきなり非現実味が加速していって、魔法みたいなエンディングで終わるという作品には、独特の魅力があります。
アドベンチャー

世界史という大河、個の人生という泡沫~「アムステルダム」ネタバレ感想~

主人公たちに謎めいた依頼をしてきた美女が目の前で殺されてしまったり、その濡れ衣を着せられて逃亡することになったり、戦地で出会った2人が一生の友情を誓いあったり、そこにクレイジーで魅力的な美女が加わったり、新たな大戦を阻止するために諜報員が暗躍してたり、謎の大富豪が登場したり、社会を影で動かしている財界の大物たちの陰謀があったり…