
「ベン・イズ・バック」ー理想の母親像は薬物の力の前では無力ー感想
薬物という悪は大きな力を持っていて、それは母親の我が子への愛情よりも強いのです。ベンはドラッグについて「愛されていると感じ、力がみなぎってくる。母さんですら、僕をそんな気持ちにさせることはできない」と語っています。その力はあまりに強く、ホリーがベンを愛しても愛しても、彼を薬物依存から救うことはできません。その無力感に苛まれたとき、母親はホリーのように盲目的になることで、何とかドラッグと息子との閉ざされた世界の中で自分の立ち位置を確保しようと足掻いてしまうものなのでしょう。