サスペンス

「ゴーン・ガール」ーエイミーみたいな女性ってわりと沢山いるーネタバレ感想

何が怖いって、世間を味方につけるためにあれだけ夫の落ち度を書きたてていたエイミーが、日記の中で不自然なくらいニックの浮気についての記述は避けてるんですよね。ちょろっとでも「どうやら浮気もしているらしい」とでも書いておけば、番組の女性視聴者を100%味方につけられそうなのに。それは絶対に書かない。断固として書かない。
ドラマ

「タリーと私の秘密の時間」ー若い頃に思い描いていた自分と違ってもーネタバレ感想

その点、この映画の主人公マーロはめっちゃリアルです。とにかく産後のたるみきった身体がすごい。顔の大きさの何倍もありそうな、ぶよ~ん!としたお腹にもう目が釘付け。娘にも「…ママ、その体どうしちゃったの?」と引かれまくっています。ドスッドスッと腰骨が開いた歩き方もリアルすぎて「やめて~!」って目を覆いたくなるよ。一日中赤ちゃんのゲロがついたボサボサのカーディガンを着ているマーロを見ると、どのママさんも「そうそう、これこれ」って共感できること間違いなしです。
ドラマ

「ジョーンについて」ー自分の人生を客観的に見つめることはこんなにも難しいーネタバレ感想

しかしこのエンディングからずっと巻き戻って、ジョーンが死んだ母親の部屋を訪れている最中に一つの奇妙なシーンが挿入されています。それはティムがフラフラと建物の外へと出て行き、中庭のような場所で突然崩れ落ちるように倒れるというものです。その後ティムはごく自然な表情でジョーンの母親の部屋に戻っているので、私には最初そのシーンが何を意味することか分かりませんでした。(てっきり「これも過去のどこかの回想シーンかな?」と思って流していました)
サスペンス

「ザリガニが鳴くところ」ー捕食者を前にしたときの、2つの選択肢ーネタバレ感想

ここまでで上映開始から2時間が過ぎ、映画もほとんど終わりになります。カイアが女性としての幸せを掴むまでを描いた一般的なラブストーリーであれば、無罪になってテイトと一緒になれてめでたしめでたしで終わるところでしょう。しかし、この映画の真のテーマはここからのラスト5分に込められていました。
コメディ

「パーム・スプリングス」ー終わらないバカンスで傷だらけの自分を癒やしてーネタバレ感想

こんな感じでサラはちょっと視野が狭いというか、自分のことしか見えていないところがあります。「家族中から厄介者扱いされてて辛い!妹の結婚相手なんかと浮気して自己嫌悪で辛い!それを打ち明けるのも辛い!辛い!辛い!辛い!」みたいな感じです。自己犠牲が尊いのは、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先させるからです。この場合、姉と恋人に裏切られている妹のほうがよっぽど辛いんですが、そういう他人の気持ちまではサラの視界に入っていません。
ミュージカル

「ラ・ラ・ランド」ー青春時代の恋人はラ・ラ・ランドの中で永遠にーネタバレ感想

ここで思い出されるのは、2人の春夏秋の物語が“ミナがやっと成功をつかむ可能性が出てきた”ところで終わりになったことです。それはセバスチャンが言ったように、これからミナが仕事に集中しないといけないから)というのも理由の一つかもしれませんが、実際には“ミナの物語のなかでセバスチャンがその役割を終えたから”というのが大きいのではないでしょうか。
サスペンス

「ファイトクラブ」ー確かにこれくらいやらないと今の生活は壊せないー感想

「俺たちはライフスタイルに仕える奴隷だ」ー私にとってこの映画は、もうこの一言に尽きます。 映画序盤でマンションの自宅を爆弾でフッ飛ばされ、こだわり抜いた家具や最新家電、高級ブランドの衣類の数々を失った主人公。“パーフェクトな生活”が一瞬で無になって途方に暮れる主人公に、ブラピはこう言い放ちます。 「寝てるあいだに女に×××を切り落とされた男もいる」 主人公はややあっけにとられて「いや、それはそうだけど…」。当然の反応ですよね。笑 でもこれ、ブラピが言いたかったのはお決まりの「アフリカには飢えた子供達が…」的な慰めではなくて、痛みや肉体に比べれば、“物”なんて大したことないだろってことです。
ドラマ

「バーレスク(2019)」ー勇気を出して一歩踏み出したあとも、現実と闘っているーネタバレ感想

ただし、「自分で自分を認める」ということは、他人からの評価とは違ってダイエットや整形では簡単に成し遂げられません。この映画の主人公のように、まず一歩踏み出し、その後「世の中バラ色みたいに見えたけど、結局私はデブキャラのままで何も変わってないじゃん!」という現実に打ちのめされ、それでもまだ地面に足を踏ん張って立っている自分を発見して、初めて本当の自信が得られるのだと思います。「もうデブでも負け犬でも何でもいいわ。私は自分が踊りたいから踊るんだよ、ちょっとそこどけ」みたいな。そうやって自分の欠点も現実もすべて受け入れたうえで、心を折られていないことが大事なんです。
ドラマ

「ハングリーハーツ」ー結局ミナは何に飢えていたのかーネタバレ感想

「自分の子どもは普通の子とは違う特別な存在だから、汚れた食べ物を食べさせてはいけない」という考えに取り憑かれた女性が、我が子にまともに食べ物を与えず飢えさせてしまう。映画は、そんな妻から何とか子供を守ろうとする父親の姿を中心に描いています。ミナは決して子供を虐待しようと思って食べ物を与えないわけではありません。映画を観ていると、ミナが子供のことを宝物のように大切に扱い、心から慈しんでいることが伝わってきます。またジュードも子供を守りたい気持ちはありますが、食べ物を与えるのを妨害するミナを憎んではいないことが分かります。むしろこのような異常な状況でも、何とか家族としての形を守ろうと足掻いているのです。
アニメ

「スーサイド・ショップ」ー絶望には美味いものが効くーネタバレ感想

この映画のポイントは、何でみんながそんなに絶望しているのかが明確に語られないところです。不景気だから?いや、でもお金持ちのマダムっぽい人や、ちゃんと仕事に就いている人もみんな一様に絶望して、自殺用品を買い求めています。自殺志願者があふれていて、自殺用品専門店(スーサイド・ショップ)は大儲け。でもそのお店を経営する家族も、店に来る客と同じように人生に絶望して内心では死を望んでいるのです。客観的に見て、それほど絶望的な状況とはいえない人々が、何故かみんな生きる望みを失っています。あえて理由をあげるなら、社会全体が暗いからそこで暮らす人たちが自然とネガティブに染まっていっている感じ